はじめに
プログラミングの世界では、何かを「計算する」「比べる」「つなげる」といった操作は避けて通れません。そして、それらの操作を行うために使うのが「演算子(operator)」です。JavaScriptに限らず、あらゆるプログラミング言語で演算子は非常に重要な要素であり、正しく理解して使いこなすことで、コードの表現力が格段に広がります。
たとえば、数値を足したり、2つの値が同じかどうかを比較したり、文字列をつなげたりする場面では、演算子が不可欠です。特にJavaScriptでは、数値だけでなく文字列や論理値などさまざまなデータ型に対して演算子を柔軟に使えるため、用途も広がります。
本記事では、JavaScriptで使える代表的な演算子について、それぞれの種類・使い方・注意点をわかりやすく解説していきます。文法を覚えるだけでなく、実際にコードを書きながら動作を確認することで、自然と演算子の使い方が身につくはずです。
それでは、さまざまな演算子の世界を一緒に覗いてみましょう!
数値を扱う基本:算術演算子
主な算術演算子とその役割
JavaScriptで最も基本的な演算子が算術演算子です。次のような記号を使って、数値同士の四則演算や剰余(あまり)を求めます。
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
| 足し算 |
| 8 |
| 引き算 |
| 6 |
| 掛け算 |
| 12 |
| 割り算 |
| 3 |
| 剰余(あまり) |
| 1 |
実践:簡単な電卓プログラムを作ってみよう
const a = 10;
const b = 4;
console.log("足し算:", a + b);
console.log("引き算:", a - b);
console.log("掛け算:", a * b);
console.log("割り算:", a / b);
console.log("あまり:", a % b);
このコードをブラウザのデベロッパーツールのコンソールで実行すると、基本的な演算結果が確認できます。
値の比較で使う:比較演算子
主な比較演算子の紹介
比較演算子は、値同士を比べてtrueまたはfalseを返すために使います。条件分岐やループでよく使われます。
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
| 等しい(型変換あり) |
| true |
| 厳密に等しい(型も比較) |
| false |
| 等しくない |
| true |
| 厳密に等しくない |
| true |
| より小さい |
| true |
| より大きい |
| false |
| 以下 |
| true |
| 以上 |
| true |
比較演算子の注意点
==
は自動的に型を変換して比較するため、意図しない挙動を引き起こすことがあります。基本的には ===
を使うのが安全です。
条件判定に便利:論理演算子
AND・OR・NOTを使いこなす
論理演算子は複数の条件を組み合わせるときに使います。
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
| 両方true |
| false |
` | ` | どちらかtrue | |
| 否定 |
| false |
実践:複数条件で動作を切り分ける
const age = 20;
const hasLicense = true;
if (age >= 18 && hasLicense) {
console.log("運転できます!");
} else {
console.log("運転できません。");
}
文字列にも使える:結合演算子
+
による文字列結合
+
は数値だけでなく文字列にも使えます。
const firstName = "Ping";
const lastName = "Tech";
console.log(firstName + " " + lastName); // "Ping Tech"
数値と文字列を混在させるときは、型変換に注意しましょう。
値の更新に便利:代入演算子
=
とそのバリエーション
代入演算子は値を変数に代入したり、既存の値を更新したりするために使います。
演算子 | 意味 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
| 代入 |
| xに10を代入 |
| 加算して代入 |
| x = x + 5 |
| 減算して代入 |
| x = x - 2 |
| 乗算して代入 |
| x = x * 3 |
| 除算して代入 |
| x = x / 2 |
| 剰余で代入 |
| x = x % 4 |
その他のよく使う演算子
三項演算子(条件式)
const age = 18;
const message = age >= 20 ? "成人です" : "未成年です";
console.log(message);
if文を1行で表現できる便利な書き方です。
型チェック演算子:typeof
console.log(typeof 42); // "number"
console.log(typeof "hello"); // "string"
変数のデータ型を確認するときに役立ちます。
よくあるミスとその対策
型の自動変換に注意
console.log('5' + 1); // "51"(文字列として結合される)
console.log('5' - 1); // 4(数値として変換される)
JavaScriptは暗黙的に型変換を行うため、予想外の結果になることがあります。必要に応じて Number()
や String()
で明示的に変換しましょう。
まとめ
本記事では、JavaScriptにおける代表的な演算子を紹介し、その使い方や注意点を解説しました。演算子は、どんな処理を書く上でも避けて通れない基本要素です。ぜひ、紹介したコードを自分の環境で試してみてください。
今回のおさらいチェックリスト
- 算術演算子で数値計算ができる
- 比較演算子で値の比較ができる
- 論理演算子で条件分岐を組み合わせられる
- 文字列の結合や変数の更新に演算子が使える
次回は「条件によって処理を変えよう!if文とswitch文」をテーマに、条件分岐の基本を学んでいきます。お楽しみに!